まだ、きものに着なれていなかったころ
お出かけ中は平気でも、自宅に帰ってきたとたんにドッと疲れが出て
「今すぐ全部脱ぎ捨てたいっ!」という気持ちになりました(笑)
それでも大好きなきものを、長くきれいに着られるように
その日のうちに、できる範囲でのお手入れをしていました。
今ではすっかり習慣となった着物のお手入れ。
いつ、どのようお手入れをするかは、人によってそれぞれだと思いますが
私が『きものを着た日に、 最低限しているお手入れ』をご紹介します。
目次
草履を脱ぐ前に
帰ってきたとき、草履を脱ぐ前に、玄関先できもののほこりを払います。
外を歩くと、想像以上にほこりなどがついているものです。
特に、裾は地面に近く、足元から舞い上がる砂埃がつきやすくなっています。
(茶道のお稽古でも、みなさま外から来ますから「きものの裾は汚れているから手で触ってはいけない」と師匠に教えていただきました)
きものをハンカチやタオルなどで軽く払います。
表面をポンポンと軽くたたく程度で構いません。
コートを着ている場合は、コートを脱いで、外で軽くバサバサします。
花粉の季節は特にしっかりと払います。
人混みや電車に乗ったとき、風が強い日などもしっかり払います。
きものを脱ぐ前に
手を石鹸でしっかりと洗います。
きもの・帯・小物に触れるときに、余計な汚れや油分をつけないようにします。
手に水分が残らないよう、よく拭くことも大切です。
脱いで干す
汗や湿気はきものの大敵です。
シミ・シワの原因になり、そのあとのお手入れが大変になってしまいます。
次にすぐに着られるよう、陰干して湿気を飛ばします。
脱ぎ方について、慣れないうちは、一気に脱いだ後、
一つ一つを拾い上げてハンガーなどにかけていました。
しかし、これは時間と労力、スペースのムダでした・・・
短時間・省エネ・省スペースな脱ぎ方のポイントは2つです。
ポイント1:着付けた時と逆の順番で脱ぐ
ポイント2:1つ外したら1つかける
具体的には、以下のような順番で脱ぎつつ、干して湿気を取ります。
- 帯締めを外し、ハンガーなどにかける
- 帯揚げとお太鼓枕を外し、帯揚げを広げてかけ、お太鼓枕をガーゼごとかける(軽く結んでひっかけます)
このときに、帯がゆるんで床につきそうな場合は、帯を適当に腕にかけておきます。
- 帯をほどいてハンガーにかける
帯はたれ先とて先のあたりを持ち、帯を締めた時と逆回りに回してほどくと床につきません。
- 帯板(ゴム付き)をかける
- きものの伊達締め、腰ひもを外してかける
- きものを脱いで着物ハンガーにかける
- 長襦袢の伊達締めを外してかける
- 長襦袢を脱いで衿芯を外す
- 長襦袢をかける(洗える長襦袢ですぐに洗濯するときはそのまま洗濯カゴへ)
- 補正を外し、肌着、足袋を脱いで洗濯カゴに入れる
いずれも『陰干し』です。
室内でも日光が当たらないところに干します。
この順番だと、脱いだものを拾い上げる時間と労力が省略でき
たとう紙を広げる必要もありません。
また、きものをしまう前に、毎回ブラシをかけているので
この段階できものが床についても、あまり気にしません(笑)
その日のうちにしておきたい最低限のお手入れはここまでです。
特に、きものでのお仕事で夜遅くに帰宅したときは、ここまでが限界です・・・
ちなみに、小物をかける場所は、ハンガーや折りたたみ物干しなど、そのときに空いている場所にかけています。
この折りたたみ物干しは、着付け時にちょうどいい高さと大きさなので
この上に、きものと帯、着付けセットを置いて着付けています。
小物をしゃがんで取らなくてよいので、着付けが楽です。
購入したのは十数年前だったので、同じものがないかもしれませんが、似ているものがありました。
この形の物干しは、普段の洗濯時でも小さな物を干したり、ちょっとした時の物置になるのでとても便利です。
また、きものをハンガーに掛けるとき、型崩れしないように注意しいたい点は、こちらでご紹介しています。
余力があれば
(翌日でもOK)
帰宅時間が早いときなどは、以下のお手入れをすることもありますが
私の中では、翌日でもOKとしています。
汗をかいたときのお手入れ
かなり汗をかいたとき、余力があれば『汗抜き』します。
こちらは、きものを着た日に行います。
何でもそうだと思いますが、習慣になってしまえば楽に感じます。
きもの初心者の方も、お手入れを面倒だと思わずに、たくさんきものを着て
すっかり慣れていただけたら嬉しいです。