10月は、『袷』の着物に衣更えする月です。
都内では、すっかり秋らしくなり、涼しさを感じるようになりましたが、
夏日が再来することもあります。
フォーマルな場などを除けば、気温に合わせて単衣で過ごしても良いと思います。
目次
涼しく着られる『胴抜き仕立て』
10月に入ってから、仕事で京都に行ってまいりましたが
タイミング悪く、気温は30度!
外での移動を含む撮影があったため、出演者の方には、急遽「単衣」に変更いただきました。
それでも、動き回りましたので、大汗になってしまいました・・・
撮影の後は、プライベートで京都の花街「宮川町」のお茶屋さんへ。
お茶屋の女将さんは、着物を「全部胴抜きにしてる」とおっしゃっていました。
胴抜きとは、胴裏が無く、袖口の裏と衿の裏、八掛だけをつける仕立て方です。
『胴抜き仕立て』、『人形仕立て』などとも呼ばれます。
見た目は袷ですが、上半身がほぼ単衣になるので、涼しく着られます。
女将さんも芸舞妓さんも良く動かれますから、納得です。
単衣と袷の変わり目に着られる方もいらっしゃいますね。
私も、これから仕立てる着物は全て胴抜きにしようかしら・・・
10月の装い例
ご参考までに、季節を感じられる装いの例です。
【着物】
・仕立て:袷
・素材 :縮緬・平織・綸子・御召
【帯】 塩瀬羽二重・綸子・錦織・唐織・古代縮緬・綾織・繻子
【半襟】 塩瀬羽二重・綸子・縮緬
【長襦袢】
・仕立て:単衣
・素材: 綸子・縮緬・羽二重
【帯揚げ】飛び絞り・綸子・縮緬
【帯締め】角組など少し平たいもの
【羽織】 紋紗
【コート】ショール
【履物】 エナメル台にエナメル鼻緒
【季節の色】朽葉色(くちばいろ)・茶色・黄土色・青紫・朱・金・銀
【季節の柄】菊・銀杏・紅葉・秋の七草模様・雁・異国文様(更紗など)・幾何学模様
※参考
・世界文化社「家庭画報特選 決定版 きものに強くなる」
・徳間書店「歴史・文化・伝統がわかる 時代考証家のきもの指南」
・その他、きもの講師認定取得にあたり得た資料(非公開)