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茶杓の銘 〜神無月(10月)〜

10月は『名残り』の月。

前年11月の口切りから使用してきた茶壺の茶葉。

10月中旬からは、残り少なくなった古茶を名残り惜しむ「名残の茶」(名残の茶事)が催されます。

涼しさが増す中、中置で客に釜を近づけて暖かみを感じられるようにしたり

お道具に継ぎ茶碗や欠風炉(かけぶろ)などを用いて詫びの風情を漂わせたり・・・

風炉の名残も惜しみつつ、炉の季節へと向かいます。

芦刈(あしかり)

芦(あし)を刈ること。
芦はイネ科の多年草。秋に穂が出て紫色から紫褐色に変わる。

稲雀(いなすずめ)

稲の実る頃、田に群れるスズメ。

薄紅葉(うすもみじ)

薄く紅葉した木の葉。また、薄く紅葉すること。

雲錦(うんきん)

桜を白雲に、紅葉を錦織に見立てた色絵文様。雲錦文(うんきんもん)。

小倉山(おぐらやま)

京都市右京区嵯峨にある山。紅葉の名所。歌枕にもなっている。

神楽歌(かぐらうた)

神楽の中で歌う神歌や民謡。

唐錦(からにしき)

唐織りの錦。紅色のまじる美しさから、紅葉などに例えられる。

木守(きまもり)

果樹に一つ二つ取り残しておく果実。次の年も実るようにと言う願いから。

牡鹿(さおしか)

雄の鹿。小(さ)は美称*(びしょう)の接頭語。
秋に雄鹿が雌鹿を求めて鳴くことから、秋の季語。
*上品な言い方。

嵯峨野(さがの)

京都市右京区嵯峨付近の名勝地。
秋の情景として歌枕となっている。

里神楽(さとかぐら)

各地の神社や民間で行われる神楽*。
対して、宮中で行われるものは御神楽 (みかぐら)と言う。
*神をまつるために奏する舞楽。

鹿の声(しかのこえ)

秋に雄鹿が雌鹿を求めて鳴くことから。

杣人(そまびと)

杣木を切ったり運び出したりする人。きこり。

龍田川/竜田川(たつたがわ)

紅葉の美しさから、歌枕として多くの和歌に詠まれている。
和歌の例:『ちはやぶる 神代も聞かず竜田川 からくれなゐ(唐紅)に 水くくるとは』<在原業平(ありわらのなりひら)>

龍田姫/竜田姫(たつたひめ)

秋の女神とされている龍田大社の龍田比売命(たつたひめのみこと)。

手向山(たむけやま)

奈良市にある紅葉の名所。
『このたびは 幣(ぬさ)も取りあえず手向山 紅葉の錦神のまにまに』<菅原道真(すがわらのみちざね)>

角切(つのきり)

奈良の『鹿の角きり』。江戸時代から約340年続く伝統行事。
奈良公園内で10月に行われる。
角の生えたオスの鹿は、秋の発情期をむかえると気性が荒くなるため、人々にケガをさせず共存できるよう角を切る。
この時期の角には、血管や神経は通っていないため、鹿は角を切られても出血や痛みはない。

栂尾(とがのお)

京都市の清滝(きよたき) 川上流の景勝地。
昔から、高雄 (たかお:高尾)・槙尾(まきのお)とともに三尾(さんび) と称される紅葉の名所。

鳴子(なるこ)

小さな板に数本の短い竹片をつけたもので、それを長い縄に複数ぶら下げたもの。
田畑に張って使い、縄の端を引くと揺れて音が鳴る。
秋の稲刈や収穫を前にして、実った稲穂や作物を鳥獣から守るため、音を立てておどすために使われる。

花薄(はなすすき)

穂の出た薄(すすき)。

穂波(ほなみ)

稲・麦などの出そろった穂が風になびいて波のように見えるもの。

深山路(みやまじ)

深い山の中の道。

村時雨/群時雨(むらしぐれ)

晩秋から初冬にかけて、ひとしきり降ってはやみ、やんでは降る小雨。

山家(やまが)

山の中にある家。里山。

夕霧(ゆうぎり)

夕方に立つ霧。

夜寒(よさむ)

夜の寒さ。特に、秋が深まって夜の寒さが強く感じられること。また、その季節。

渡り鳥(わたりどり)

毎年決まった季節に地域を移動する鳥で、特に日本と海外を行き来する鳥。
日本の秋には、秋の間に一時滞在するシギチドリ、越冬するカモ・ガン(雁)・ハクチョウが飛来する。

※参考文献・Webサイト
淡交社「茶の湯の銘 季節のことば」
・淡交社「裏千家茶道教室 おけいこ暦帳」
淡交社「茶趣をひろげる歳時記百科 」
goo国語辞書(小学館提供『デジタル大辞泉』)https://dictionary.goo.ne.jp/jn/
龍田大社『風神龍田大社』「龍田大社について」https://www.tatsutataisha.jp/about.php
環境省「渡り鳥の生態」https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/bird_flu/migratory/life.html
一般財団法人 奈良の鹿愛護会「鹿の角きり」https://naradeer.com/event/tsunokiri.html

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