9月1日は防災の日でした。
着物と防災
一見、関係なさそうに思えますが・・・
日本は地震大国
着物でお出かけしているときに
大地震が起こることもあるでしょう。
よくよく考えて、最低限の備えをしたいものです。
そこで、私だったらどう避難するか、何を備えるかを考えてみました。
避難時のポイント
着物での避難で考慮したいポイントは2つ。
- 動きやすい格好
- 体力の温存
です。
動きやすい格好
雨・風・火災・水害を避けられる場所にいるなら、動かない方が良いでしょう。
安全な場所まで、素早く移動する必要がある場合は、はんなり歩いていられません。
がれきを超えたり、災難から走って逃げることになるかもしれません。
電車やバスが動かない、車が使えないなど
自宅や避難所まで長距離歩くことになるかもしれません。
友人や家族、近くにいる人を助ける必要がでてくるかもしれません。
施設や避難所で寝泊まりすることになるかもしれません。
着物でも、少しの工夫で動きやすくすることができます。
走る
草履を脱ぐ
走らなければいけないときは、一刻の猶予もないときだと思います。
草履では自己ベストの走りはできません。
そのときに、草履をどうするか・・・
・そのまま脱ぎ捨てる
・手に持つ猶予があれば、鼻緒に指を通して持っていく
(安全な場所についたら、足元の保護のために必要になるかもしれない)
少なくとも人混みでは、草履はあきらめた方が良いと思います。
かがんだ瞬間、将棋倒しの起点となり
下敷きになってしまいそうです ( ;∀;)
裾を上げてはさむ
足が大きく開くようにします。
着物(できれば長襦袢も一緒に)の裾を持ち
ひっくり返すように裏返して胸元まで上げ、
帯または帯締めの上から深くはさみ込みます。
特に、正絹の場合はスルスルと落ちやすくなるので
帯締めに挟んだ方が良いかもしれません。
裾の持ち方は、かがまず、太もも当たりの前身頃を左、右と持ち、長襦袢も同様に持ちます。
そのまま大きく開きながら、裾あたりまで手をスライドさせていきます。
裾を持ったり、裏返す余裕がないときは
たくし上げて裾あたりを深くはさみ込めばよさそうです。
はさむのも難しければ、手で持ちます。
長距離歩く
知り合いの茶道の先生は、災害用として靴を車に入れているそうです。
歩きやすい草履でも、がれきの上は歩きにくいでしょう。
鼻緒が擦れて痛くなるかもしれません。
車や会社などであれば、靴を置きっぱなしにできそうですが
電車や歩いての移動などでは、携帯用があった方がよさそうです。
靴に履き替える
持ち歩きには、旅行にも便利な、折りたたみ靴が良さそうですね。
(バッグの容量・重さとトレードオフですが・・・)
以前は、海外旅行用に持っていたのですが
機内やホテルの部屋ではスリッパを使うようになってから
使わなくなってしまいました。
こういうものは、数年おくと劣化していることがあるので
新しいものを用意しようかな、と思います。
いざというときに、底がはがれたりしたら携帯する意味がありません・・・
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マリンシューズもよさそうです。
私は海でシュノーケルすることがあるのですが、たいていマリンシューズを履きます。
陸地も海底も歩きやすいです。
避難時に水たまりを歩くことになっても、水が抜けるし
シューズが脱げにくいので安心かと思います。
こちらはかなり軽量・コンパクトで、持ち歩きによさそうですね。
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作業する・障害物を超える
たすき掛け
たすき掛けは、袖が邪魔になりませんし
長距離歩くときも、腕が袖の重さから解放されて
疲れにくくなりそうです。
腰ひも1本あればよいので簡単ですね。
着物の裾を短くしたり、けがをした時の応急処置にも使えそうです。
軽いし、かさばりませんから
防災グッズとして持ち歩こうと思います。

着物を脱ぐ
知り合いの茶道の先生曰く
「出かける時は、いつ地震がくるかわからないから
着物の下にワンピースを着てるのよ。
着物だと、移動が大変な場所があるかもしれないでしょ。」
とおっしゃっていて、なるほど!と思いました。
確かに、安全な場所や帰宅するまで
身軽に動けないと困ることがあるかもしれません。
そこで、肌襦袢の代わりに
着物を脱いでも大丈夫なものを着たいと思います。
ワンピース、首元が空いた薄手のカットソーやタンクトップ、レギンスなど。
季節によって最適なものは変わるでしょう。
災害時は、停電するとエアコンが使えません。
特に夏は、近年の暑さでは、熱中症になりやすいでしょう。
体調が悪くなる前に、着物は潔く脱いでしまいます。
周りの人も気にしないでしょうし、着物でいるほうが心配されてしまいます。
やせ我慢して倒れてしまっても大変です。
ワンピースなら、胴回りの風通しも良く、体温を下げやすくなります。
冬も要注意です。
着物を脱いでしまうと寒すぎると思います。
では、どうするか・・・?
暑い今、寒さのイメージがつきません(笑)
涼しい季節になったら、また改めて考えてみたいと思います・・・
体力の温存
長距離歩いて帰ることや、翌朝まで動けないことなどを考え
安全な場所に移動できたら、体力を温存しておきます。
長期戦になったり、飲食が難しくなることもあるでしょう。
潔く座る
体力を消耗しないよう、腰掛けたり、地面に座ったり・・・
有事のときは、着物が汚れる・痛むなど気にしていられません。
身を守ることを最優先にします。
もし気になるのなら、敷物にできるものを持っておけば良いでしょう。
私は、雨が降りそうな時、撥水加工されている風呂敷を持ち歩いたり
荷物が多い時は、ポリ風呂敷を持つこともあります。
特に、ポリ風呂敷は、布の風呂敷と比べると
圧倒にコンパクトで軽量です。
濡れてる場所でも座れます。
急な雨には、レインコートの代わりにもなります。

防災グッズとして、ポリ風呂敷をバッグに入れておこうと思います。
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緩める・外す
体の疲労は、心の疲労にもつながります。
心身ともに負担をかけないように
まずは、体から負担を取り除き、リラックスさせたいものです。
着物を着なれていても、いなくても
緊張状態が続くと、気分が悪くなることがあるでしょう。
そうなる前に
あちこち緩めたほうが良いです。
着崩れたって構いません。
こんな時に誰も責めはしませんし、気にもとめないでしょう。
お太鼓の場合は、まず帯揚げと帯枕を外します。
胸元を楽にすると、緊張状態でも多少リラックスできるでしょう。
帯締めは指一本入るくらい緩めるか
帯を取ってしまっても良いでしょう。
誰も構いはしません。
伊達締め、腰紐もキツく感じそうなら
早めに緩めておきます。
また、私はロングヘアで、きっちりまとめ髪にしています。
頭のピンを取りたくなると思うので
髪を下ろしてヘアゴムで結ぼうと思います。
(ヘアゴムはポーチに常備しています)
普段から楽な小物を使う
あちこち緩めなくても、楽な小物を使って入れば快適に過ごせると思います。
私はいつも、伸縮するタイプの腰紐・伊達締めを使っています。
こちらは、ウエストベルトというもので、全体がゴムになっています。

緩すぎず、キツすぎず、最初に長さ調整したら
あとは毎回同じ感じに締められます。
体を動かしたり、食後にお腹が膨らんでも
伸縮してくれるので楽ですし
着崩れしにくいのでおススメです。
金具部分がプラスチックで、着物を傷めにくいものもあります。
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伊達締めは、部分的に伸縮するものを使っています。

着物の師匠から教えてもらいました。
とっても楽に着ていられます。
着付けるポイントは、伸びるからと言って、ギューっと伸ばし過ぎないこと。
ピタッと押さえられていれば大丈夫です。
長襦袢には、上記のクリップ無しを使いますが
着物には、クリップ付きのものを使います。

クリップ付きは、コーリンベルトなどの着物ベルトが不要になります。
腰紐もいりません。
着付けの時短もできる、お気に入りです。
使い方はこちら↓で紹介されています。
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着物の防災
まだまだ備えたいことはありますが・・・
必要なことやものは、人それぞれ違うと思います。
みなさんも「自分ならどうするか?」
考えてみてはいかがでしょうか?