8月の着物は、『薄物』(うすもの)という紗(しゃ)や絽(ろ)、麻などの、風通しがよい薄い夏の着物です。
8月の装い例
ご参考までに、季節を感じられる装いの例です。
夏の着物として、こちらもご参照ください。
【着物】
・仕立て:薄物単衣
・素材 :絽・紗・麻
【帯】 絽帯・絽綴・紗・紗献上・麻・羅
【半襟】 絽・紗・麻
【長襦袢】
・仕立て:薄物単衣
・素材: 絽・紗・麻
【帯揚げ】絽・紗・麻
【帯締め】透かし組・細めのもの
【羽織】 なし
【コート】なし
【履物】 エナメル台にエナメル鼻緒・植物繊維の台にエナメル鼻緒
【季節の色】白・生成り、水浅葱・朱・赤紫
【季節の柄】秋の七草模様・水・波・雲・祭り模様・魚・貝
浴衣を着物として着る?
夏は、浴衣を着物風に着ている方(特にお若い方)も見かけます。
「本来、浴衣は・・・」とおっしゃる方もいらっしゃいますが、
私は、TPOに合うのであれば、気軽に和装を楽しめば良いと思います。
(ちなみに、浴衣と着物は仕立て方が違いますので、別物であるということは認識いただきたいですね。)
正式な場や和装のマナーが求められるところでは、他の方に失礼の無いようルールを守る。
ちょっとしたお出かけや、友人との気軽な集まりなどでは、その場や相手に合わせて自由な着こなしを楽しむ。
時代に合わせて変化できる文化が、後々残る文化だと思いますし、
そもそも、文化とは変化するものだと思います。
着物の長い歴史を見ても、時代時代で新しい着こなしが出てきます。
例えば、名古屋帯は大正時代末頃にできたものです。
お太鼓結びは、ミセスの正装でも結ばれていますが、これも比較的新しい結び方なのです。
お太鼓結びの歴史
江戸後期、1817年の江戸亀戸天神の太鼓橋が再建落成し、渡り初めがあった際、
深川の芸者たちが太鼓橋を真似た帯結びをしたことが始まりです。
その後、初めて帯締めと帯揚げが使われるようになりました。
帯を後ろで結ぶようになったのもこの頃からなのです。
もともとは前や横、後ろなど自由に結んでいました。
歴史について語りだすと止まらなくなりますので、続きは別の機会に。
美しいキモノ 2022年 7月号 [雑誌] |
※参考
・世界文化社「家庭画報特選 決定版 きものに強くなる」
・徳間書店「歴史・文化・伝統がわかる 時代考証家のきもの指南」
・その他、きもの講師認定取得にあたり得た資料(非公開)
よろしければ一服どうぞ
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