6月は、長雨や曇りが続きやすい梅雨の季節。
また、夏に向けた備えが始まるのもこの頃です。
夏のお道具が使われ始め、建具も夏使用に入れ換えられます。
青梅(あおうめ)
未だ熟していない、青くて硬い梅の実。
飛鳥川(あすかがわ)
能の演目の一つ。
生き別れになった母を探す少年。それを見かねた男性が、少年を連れて吉野に参詣。
その帰り、五月雨(さみだれ)のため増水して浅瀬がわからなくなった「飛鳥川」を渡ろうとしたところを、田植えをする女性が一旦引き留め、浅瀬の場所を教えてくれた。
実はその女性が母親で、再会を果たせたというお話。
芦笛(あしぶえ/ろてき)
芦の葉で作った笛。初夏の風物詩。
雨宿(あまやどり)
雨を避けるため、軒下などにしばらく身を寄せること。
安居(あんご)
僧が、1か所にこもって修行すること。
夏の安居を「夏安居(げあんご)」といい、陰暦の4月16日から7月15日までの3か月間行われる。
石清水/岩清水(いわしみず)
岩の間からわき出るきれいな水。
浮舟(うきふね)
水面に浮かんでいる小舟
翡翠(かわせみ)
くちばしが大きく、水に飛び込んで魚を捕って食べる鳥。
ユーラシア大陸に分布し、日本では水辺に見られる。
行雲(こううん)
空を流れ行く雲
苔衣(こけごろも)
地を覆う苔を衣に例えたもの。
早乙女(さおとめ)
田植えをする若い女性。
白糸(しらいと)
滝の細い落水(や白髪)など、白くて細いものの例え。
末摘花(すえつむはな)
紅花(べにばな)。
花が茎の末の方から咲き始め、それを順次摘み取ることから末摘花と言われる。
原産はエジプトで、6世紀終わりから7世紀の初めころ日本に伝わったとされている。
江戸時代には染料や口紅原料用として使用されていた。
瀬音(せおと)
浅瀬を流れる川の音。
玉藻(たまも)
藻の美称(びしょう:上品な言い方)。
茅の輪(ちのわ)
茅(かや)を束ねて大きな輪にしたもの。
夏越の祓*(なつごしのはらえ)の行事の一つ「茅の輪くぐり」で使われる。
茅の輪は神社の参道などに設けられ、参拝者はこれをくぐることで穢れ(けがれ)を払い、無病息災(むびょうそくさい)や厄除け、家内安全を祈念する。
*元々は宮中で、旧暦6月末に罪や穢 (けが) れ清めるために行われていた。それが全国の神社でも行われるようになり、神社の行事として定着した。
虎が雨(とらがあめ)
「曽我の雨(そがのあめ)」、「虎が涙(とらがなみだ)」とも言われる。
旧暦の5月28日、新暦では6月26日頃に降る雨のこと。
1193年のこの日、曽我兄弟*が父親の仇討ち(あだうち)に成功したが、兄が討ち死にした。
祐成が愛した遊女「虎御前(とらごぜん)」が、それを悲しんで流す涙として、この日に降る雨を「虎が雨」と呼ぶようになった。
*兄:曽我十郎祐成(そがじゅうろうすけなり)弟:曽我五郎時致(そがごろうときむね)
上り鮎(のぼりあゆ)
成長して川を上る若いアユ。
橋姫(はしひめ)
橋を守るという女神。特に京都府宇治市の宇治橋の橋姫。
氷室(ひむろ)
天然氷を夏まで蓄えておくための室(むろ)。
地中や山かげに穴をあけ、上を茅 (かや) などでおおう。
昔は宮中用の氷室があり、4月から9月頃に、朝廷に献上されていた。
蛍狩(ほたるがり)
水辺などで蛍を捕まえたり、その美しい光を楽しむこと。
真菰(まこも)
水辺の湿地に群落をつくり植生するイネ科の多年草。
茎や葉は1~2メートルほどになる。
山法師(やまぼうし)
ミズキ科の落葉高木。山野に生え、葉は楕円形で先がとがり、対生。
夏、淡黄色の小花が集まってつき、花びら状の4枚の白い葉 がある。
花は5~7月に開花。
名前の由来は、花と白い葉を、僧兵の頭と白い頭巾に見立てたという説がある。
※参考文献・Webサイト
・淡交社「茶の湯の銘 季節のことば」
・淡交社「裏千家茶道教室 おけいこ暦帳」
・淡交社「茶趣をひろげる歳時記百科 」
・goo国語辞書(小学館提供『デジタル大辞泉』)https://dictionary.goo.ne.jp/jn/
・東北農政局「紅花栽培について」https://www.maff.go.jp/tohoku/seisan/tokusan/syosai/benibana.html
・菰野町商工会『菰野の真菰』「まこも(真菰)って何?」http://www.komono.org/makomo/about.html
・関東森林管理局「ヤマボウシ」https://www.rinya.maff.go.jp/kanto/aizu/present/present1_20/16.html
茶の湯の銘季節のことば (淡交新書) [ 淡交社 ] |
茶趣をひろげる歳時記百科 [ 筒井紘一 ] |
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