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重陽とは
重陽とは、旧暦9月9日(新暦では10月14日頃)のことです。
『重陽の節句』、『菊の節句』、『栗の節句』とも言われます。
縁起が良いとされる陽数(奇数)の最大数「9」が重なる日のため、縁起の良い日とされています。
重陽の風習
中国では菊酒を飲み長寿を祈る風習があり、それが日本にも伝わりました。
日本では、平安時代に宮中の年中行事として菊の宴が行われ
江戸時代に五節句のひとつとして定着しました。
新暦では10月14日頃、栗が食べごろの時期のため、栗ご飯を食べる風習もあります。
また、昔は『着綿(きせわた)』という風習もありました。
平安時代の宮中で行われ始め、無病息災と不老長寿を祈願して行われたもので、
重陽の節句の前夜に、真綿(まわた)を菊の花にかぶせ、
その翌日に、菊の香りや夜露がしみ込んだ真綿で身体をぬぐいました。
菊酒(きくざけ)
お酒に食用菊を浸し、菊の香りとともにいただきます。
盃に菊の花びらを散らしてもよいです。
しっかり香りをつけたい場合は、一晩漬けておきます。
(画像は小さい菊ですが、漬け込むには大きい菊の方が良いかもしれません)
ちなみに、画像の片口とおちょこは錫(すず)で作られています。
お酒を入れておいておくと、お酒自体の味が変化するのを楽しめます。
最初は、半信半疑だったのですが・・・
はっきりわかるくらい、口当たりがまろやかになります。
普段飲みのお酒も、ワンランクアップしたかのようです(笑)
おちょこは、ひっくり返すと、美しい富士山になります。
お酒を頂いている間も、底にある小さな富士山を上から眺められます。
お酒好きな友達にもプレゼントして、とても喜んでいただけました。
※参考文献・Webサイト
・淡交社「茶趣をひろげる歳時記百科 」
・goo国語辞書(小学館提供『デジタル大辞泉』)https://dictionary.goo.ne.jp/jn/
・水野久美(文) 森松輝夫(絵) 2020年「絵で楽しむ 日本人として知っておきたい二十四節季と七十二候」 (株)KADOKAWA
茶の湯の銘季節のことば (淡交新書) [ 淡交社 ] |
茶趣をひろげる歳時記百科 [ 筒井紘一 ] |