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やきもの:織部(おりべ)

正直言って、最初はあまり好きではなかった『織部』

最近は、なんだか魅力的に思えるようになってきました。

(好みが変わってきたのか、そういうお年頃になってきたのか・・・)

 

ご縁あって、いくつかの織部を譲り受け、しばらくしまい込んでありましたが

出番を増やしてみたら、愛着が湧いてきました。

やはり、お道具は使ってこそ、活きる・生きるということですね。

 

「織部は、緑色のあるごつっとした焼き物でしょ?」

と思っていたのですが(笑)

あるとき、緑でないのに『織部』と箱書きされていることに気が付き・・・

 

知ったつもりになるのはダメですね。

そこで、織部について調べてみました。

織部とは?

織部(おりべ)とは、岐阜県の美濃焼(のみやき)の一つで、織部焼とも呼ばれます。

桃山時代を代表する焼きものでもあり、古田織部*の好みや指導によって作られたと言われています。

*ふるたおりべ:桃山時代の武将で、千利休門弟の茶人。「ゆがみ」など破調の美を好んだ。

織部の特徴

桃山時代、これまでは素朴で単純な焼き物が多かった中で、織部はとても斬新な焼き物でした。

今もその作風が受け継がれています。

 

・凸凹のあるゆがんだ形

・自由奔放な絵柄(動物、植物、抽象など)

・多様なデザイン(手付き、舟形、筒状、ひし形、三日月形、千鳥形など)

 

こうしてみると、何でもアリ、といった感じですね(笑)

織部の種類

釉薬(ゆうやく)のかけ方や技法によって、種類が異なります。

青織部(あおおりべ)

一般的によく見られる織部

器の一部に緑釉がかかり、他の部分に鉄釉で文様が描かれている

青織部の菓子器

ちなみに、このお菓子はこちらで紹介しています。

総織部(そうおりべ)

緑釉が全面にかかっているもの

総織部の鉢

深い緑色とその艶めきが美しい・・・。

鳴海織部(なるみおりべ)

織部焼独自の技法で2種類の土を掛け合わせたもの

・白土と赤土(鉄分を含む)を継ぎ合わせながら形を作る

・文様を描くときは、白土に緑釉(織部釉)を使い、赤土には白泥の模様と鉄釉の線画を描く

赤織部(あかおりべ)

鳴海織部の赤土部分の手法だけで焼成されたもの

織部黒(おりべぐろ)

器の全体を黒い鉄釉で塗りつぶしたもの

黒織部(くろおりべ)

織部黒の一部を窓抜きにしたもの

窓を白釉で埋めて鉄釉で文様が描かれたものや、白窓自体が文様になっているものがある。

黒織部の茶碗

戦国武将に似合いそうな色合いとドッシリ感。

 

 

やきものは、作り方などを知ると、ますます愛着が湧いてきます。

「使うのがもったいない」などと思わずに

自分が生きているうちに、たくさん使いたいと思います。

 

こちらは茶碗もお皿も織部です。

※参考文献・Webサイト
・野寺文雄 監修 1995年「やきもの」西東社
多治見市 美濃焼ミュージアム https://www.tajimi-bunka.or.jp/minoyaki_museum/