手紙やメールで使える季節(時候)の挨拶・結びの言葉を集めました。
11月は、冷たい北風が吹き始めるころです。
冬に向かって寂しいイメージがありますが、風情あるポジティブな表現も積極的に使ってみましょう。
1. 11月 和風月名(わふうげつめい)
現在、一般的に使われている11月の和風月名は
『霜月(しもつき)』
です。
霜月の由来
名前の由来は、霜の降る月というのが定説のようです。
11月の異称(異名)
「霜月」以外にも数多くありますが、ここではその一部をご紹介します。
挨拶文中にこれらの異称を使っても、風情が感じられますね。
霜降月(しもふりつき)
神楽月(かぐらづき)
雪待月(ゆきまちづき)
竜潜月(りょうせんげつ)
神帰月(かみかえりづき)
子の月(ねのつき)
寒月 (さむつき)
2. 11月 時候の挨拶
11月の上旬から下旬にかけて季節は移り変わります。
手紙・メールを書いているのは、どのような時期なのか、季節に合うような言葉を選んでみてください。
2-1. ビジネスや目上の方への手紙など『改まった手紙・メール』の場合
季節の言葉に「~の候」「~のみぎり」「~の折」などをつけます。
- 晩秋の候
- 暮秋の候
- ゆく秋の候
- 落葉の候
- 残菊の候
- 立冬の候(11月7~21日頃)
- 向寒の候
- 初雪の候
- 夜寒の候
- 冷雨の候
- 初霜の候
- 微寒の候
- 初雁の候
- 初しぐれの候
2-2. 『親しい方への手紙・メール』
- 菊薫この頃
- 落ち葉風に舞う頃
- 夕風肌寒く身にしむ
- 吐く息も白くなり
- 朝夕ひときわ冷え込む頃
- 行く秋の寂しさ身にしみる頃
- 秋も一段と深まり
- 冷気日ごとに加わり
3. 11月 挨拶例文
3-1. ビジネスや目上の方への手紙など『改まった手紙・メール』の場合
- 晩秋の候、皆様には益々ご清栄のこととお喜び申し上げます。
- 晩秋の候、貴社益々ご清栄のこととお喜び申し上げます。
- 初冬の候、皆様には益々ご健勝のほどお慶び申し上げます。
- 初霜の候、貴社益々ご健勝の程お慶び申し上げます。
- 初雁の候、ますますご発展の程お喜び申し上げます。
- 向寒のみぎり、益々ご清栄のこととお喜び申し上げます。
- 向寒の候、ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
- 初霜の候、〇〇様にはますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
- 時下益々ご清栄のこととお喜び申し上げます。
日頃お世話になっている方へは、季節の挨拶文の後に次のような一文を添えても良いでしょう。
- いつも一方ならぬお力添えにあずかり、誠にありがとうございます。
- いつも一方ならぬお力添えにあずかり、誠に有難う存じます。
- いつも格別なお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
3-2. 『親しい方への手紙・メール』
親しい方へは、季節の挨拶として、季節を感じるような身近な出来事を書くと良いでしょう。
読んだ相手があなたの情景を思い浮かべられ、より親しみを感じてもらえることでしょう。
- 朝晩めっきり冷え込むようになりました。
- 日増しに秋も深まってまいりました。
- 菊薫る霜月となりました。
- 昨日までの暖かさが嘘のように、今日は木枯らしが吹きすさんでおりますが、お変わりなくお過ごしでしょうか。
- 初霜が落ち葉に降りる頃となりました。
- ゆく秋を惜しむかのように、落ち葉が風に舞っています。
- 木枯らしが吹きすさぶ頃となりしましたが、いかがお過ごしでしょうか。
- 庭の山茶花も咲き始めました。
- 落ち葉の降り積もる今日この頃、お変わりなくお過ごしでしょうか。
- 寒さに向かいます折、皆様お元気でしょうか。
- 虫の声が夜ごとに細くなっていく今日この頃です。
- 冬がもうそこまで近づいてきました。
※参考文献・Webサイト
・国立国会図書館『日本の暦』「和風月名」https://www.ndl.go.jp/koyomi/chapter3/s8.html
・国立国会図書館デジタルコレクション「古今年中行事通」https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1444228
・goo国語辞書(小学館提供『デジタル大辞泉』)https://dictionary.goo.ne.jp/jn/
・杉本裕子 2021年「季節と気持ちを上手に伝える 手紙の書き方マナー&文例集」主婦の友社
・水野久美(文) 森松輝夫(絵) 2020年「絵で楽しむ 日本人として知っておきたい二十四節季と七十二候」 (株)KADOKAWA