
鉄瓶と聞くと、お手入れが大変そうとか、サビやすそうとか
なんとなく扱いづらいイメージがありました。
しかし、お茶の味わいが、お湯の違いでかなり変わることを体感!
そこで、思い切って南部鉄瓶を購入し・・・
数年が経ちました。
今では毎日のように使っています。
茶道でも、鉄のお釜で沸かしたお湯と、やかんや電気ポットで沸かしたお湯では
お抹茶の味が全く異なります。
鉄で沸かした方がお湯がまろやかになり、
お茶の本来のおいしさを上手く出してくれているようです。
目次
お白湯生活
仕事が忙しかったころ、コーヒーやお茶は飲んでも
『水』はあまり飲みませんでした。
(お医者さんによると、混じりけのない『水』を飲むことが大事なのだとか)
もちろん、お白湯を作る時間も、気持ちの余裕もありませんでした。
(運動はしていましたが、体の中は不健康だったのではないかと思います)
働き方を変えて、少し余裕ができたころ
美味しいお茶が飲みたくて、南部鉄瓶を購入
健康を意識してお白湯を作るようになりました。
鉄瓶で作るお白湯はおいしですし、体にスルスルと入っていく感じがします。
私はほぼ毎日、南部鉄瓶でお白湯を作り
1日1リットルのお白湯を飲み切ります。
1日かけて飲むので、途中から「湯」ではなくなりますが(笑)

このお白湯生活を始めてから、身体の代謝が良くなりました。
離れて暮らす母にも奨めてみたところ、お通じが良くなったと喜んでいます。
鉄瓶の使い方
最初はどうなることかと思いましたが(笑)、非常に簡単に扱えます。

初回の準備
初回だけ、『湯垢(ゆあか)づけ』という、サビ防止の処理をします。
- 硬度の高い水*または水道水を用意(鉄瓶の容量の約3倍)
水道水は、水質によってサビが出ることがあるとのこと。
海外製のミネラルウォーターでevian(エビアン)やVittel(ヴィッテル)などがオススメ
とは言え、水の用意でハードルが上がってしまうのもイヤですね・・・
多少のサビが気にならない方は水道水でも良いと思います。
- 鉄瓶の8分目程度まで水を入れ、フタをはずして沸かす
- フタを閉めてから*、湯を捨てる
*フタが無いと、持ち手に蒸気があたってヤケドするの恐れがあります
- フタをはずして、内部が乾き、冷めるまで放置
- 手順2~4をあと2回繰り返す(合計3回程度)
普段の使い方
私はガスコンロで沸かしていますが、IHでも同じです。
- 鉄瓶の8分目程度まで水を入れ、コンロに置く
- フタを切って(隙間が空くように少しずらして)から、火をつける
私の鉄瓶は容量が1.2リットルで、9~11分くらいで沸騰します。
浄水器の水を使っているので、夏と冬で温度が異なり、沸騰時間も変わります。
消し忘れないように、キッチンタイマーをセットしておくと安心です。
- 湯が沸いたら火を止める
お白湯にするときには、ここで10~20分程度放置し、湯を落ち着かせています
- ちきんとフタをして*、注ぐ
*フタがずれたままだと、持ち手に蒸気があたってヤケドするの恐れがあります
- 鉄瓶が熱いうちに、湯を使い切る、または、余った湯をすべて出す
- フタを外し、鉄瓶が内部が乾くまで放置
※私は瓶敷の上に移動させています。料理中の油が飛ばないように・・・

最初は、痛まないように火加減に注意していましたが・・・
慣れてくると、それほど気を使う必要もなく
鉄瓶の底より外側に火があたらないようにしておけば、問題なく使えています。
普段のお手入れ
ポイントは1つだけです。
しっかり乾かすこと!
濡れた状態で置いておかないことです。
鉄瓶から湯を出し切った後、余熱があれば、みるみるうちに乾いていきます。
フタも置いた瞬間から、このような↓感じで乾いていくのが目に見えていきます。

ちなみに、フタも熱くなっているので、テーブルなどがヤケないよう
布製のコースターの上に載せています。
フタの開け閉めも、このコースターでつまんでいます。
乾かす前に鉄瓶が冷めてしまっていたら、
20~30秒ほど軽く火にかけて、内部を乾かします。
※空焚きしすぎないようご注意ください。
宅配便がきたり、別のことをし始めると
お湯が残っていることをすっかり忘れてしまいます・・・
鉄瓶が冷めてしまったことに気づいたら、直ぐに乾かすようにしています。
鉄瓶はサビたらダメなの?
結論から言うと、サビて湯を沸かしたときに「濁り」「金属のニオイ」が無ければ大丈夫です!
鉄瓶は使い込むうちに湯垢が育ち*、サビにくくなります。
*水のカルシウムやマグネシウムが白い結晶になりが内部に付着していく現象
しかし、全くサビが出ないわけでもありません。
私は浄水で沸かしているからか、数年使っても湯垢はポツポツとある程度で、
サビが出てきています。
しかし、全く問題なく使えています。

iPhone撮影のため内部の色が妙な感じ・・・
※メーカーのサイト(記事下の参考Webサイト)では、浄水は湯垢がつきにくいため、水道水の使用がお奨めされています。
ちなみに、私が使用している鉄瓶は
南部鉄器の老舗、及源鋳造 (OIGEN)さんの観月アラレです。
容量は1.2リットルで、使い勝手が良い大きさです。
お湯が入っていても片手で持てる重さです。
(これより容量が大きいと、私には重た過ぎるかなと思います。)
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IH対応もあります。
容量は1リットルです。
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鉄瓶で沸かしたお湯から鉄分が取れる、は本当か?
日本調理科学会誌の論文で、鉄瓶を使用した研究成果が公開されています。
要約すると
・鉄瓶(研究に使用されたのは南部鉄瓶)に蒸留水1リットルを入れて煮沸
・溶出した鉄の量は約0.2 mgで、その内の78~98%が人体に吸収されやすい2価鉄
・鉄摂取量の増加・貧血改善に有効であることを示唆する
鉄瓶で鉄分が取れるというの本当だったようです。
興味がある方は、記事下の参考Webサイトで実験結果をご覧ください。
鉄瓶より手軽??
鉄瓶は重さがあるので、高齢の母は『鉄卵』を使っています。
省スペースですし、手持ちのやかんに入れて沸かすだけ。
母は、お湯が沸騰した後に数分おいてから、お玉で鉄卵を小皿に出しています。
水分は熱ですぐに蒸発するので、拭く必要はありません。
その後、お気に入りの白いホーローポットに入れて
その日のうちに飲み切ります。
面倒くさがり屋の母が、毎日続けられているのは、
簡単にできて、身体の調子が良いから、だそうです。
炊飯器に入れたりもできるので、手軽に使えてよさそうですね。
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※参考文献・Webサイト
・調理中に鉄鍋から溶出する鉄量の変化 (2003)今野暁子, 及川桂子, 日本調理科学会誌Vol.36巻 No.1 https://www.jstage.jst.go.jp/article/cookeryscience1995/36/1/36_39/_pdf/-char/ja
・OIGEN「【鉄瓶の使い方】鉄瓶使い始め完全マニュアル」及源鋳造株式会社 https://oigen.jp/enjoy/firsttouch/18215